• 1：気虚 ⇒ 身体がだるい、気力がない、疲れやすい
• 2：気逆 ⇒ 冷えのぼせ、ほてり、頭痛、いらいら
• 3：気うつ ⇒ 落ちこみ、のどのつかえ、頭痛

気の異常って、大げさにいってしまうけど、日々の生活で我々が感じること。
元気、気力、無気力、やる気、気分…毎日使っている当たり前の言葉、それがまさに気です。
そして気が乱れると、血や水までもが影響をうけます。
だからこそ、早めに対応することが大切。未病につながります。

1：気虚には、気を補ってあげる生薬が必要

人参、黄耆、甘草、白朮、大棗など
処方例）補中益気湯

2：気逆には、上気をおさめてくれる生薬が必要

桂皮、呉茱萸、半夏など
処方例）加味逍遙散
※月経前症候群や更年期障害を中心に女性に頻用されます

3：気うつには、気分を晴れやかにする生薬が必要

柴胡、厚朴、陳皮、蘇葉など
処方例）半夏厚朴湯

• 1：血虚（けっきょ）
  ⇒ 冷え、皮膚の乾燥、めまい、立ちくらみ、疲労感など、血液の働きが低下している状態、つまり栄養を全身に送りづらくなっている状態です。
• 2：瘀血（おけつ）
  ⇒ 冷え、月経困難症、生理痛、下腹部痛、肩こり、痔など、血の巡りが悪くなっている状態、いわゆるドロドロな血液をイメージです。

1：血虚を補い、改善していく生薬

当帰、芍薬、地黄など
処方例）当帰芍薬散
※この処方は、やせて体力のない「虚証（きょしょう）」の人向け。冷えむくみに。

2：瘀血による「つまり」をとり、巡りをよくする生薬

桃仁、牡丹皮、大黄、川芎など、身体を内から温めてくれます。
処方例）桂枝茯苓丸
※この処方は、体力が中等度以上の「実証（じっしょう）」の人向け。冷えのぼせに。

水滞という状態で、水分が溜まりすぎても（むくみ）、水分が足りなくても（脱水）、つらい症状が出てきます。
※むくみ ⇒ 頭痛、めまい、頭重感、下肢のむくみ、関節痛、全身倦怠感、胃のむかつき、乗り物酔い
※脱水 ⇒ 一般的な脱水の症状と同じ

水の異常を改善していく生薬

沢瀉、茯苓、蒼朮、猪苓、防已など。

ここで注意があります。以下のような場合は、まず…

• 頭痛がひどい…内科や脳神経外科
• めまいがひどい…耳鼻科
• 下肢のむくみ…血管外科
• 関節痛…整形外科
• 胃のむかつき…消化器内科

など、西洋医学検査にて、大病がないか確認することが必要です。 その後、何でもないと言われた、薬を飲んでも全然楽にならない、という方がいらしたら、この水の異常があるかもしれません。
処方例）たくさんある中で…私の処方頻度の多いものを選んでみました。
この4処方には、水バランスを整える生薬がベースにあり、それに、プラス、特徴ある生薬が加わることで、働きが変わってきます。

1：五苓散（基本処方）

この処方は、5つの生薬から構成、うち4つがすべて水のバランスを整えるものなので、シンプルに、水バランスが崩れている方に処方しています。

2：苓桂朮甘湯（1＋気の生薬）

なので、水+気のバランスが乱れている方によい。

3：半夏白朮天麻湯（水生薬+気の生薬をさらに増やして+胃腸を整える生薬）

なので、水+気の異常+体力低下している方によい。

4：防已黄耆湯（水+生薬は多岐にわたる）

いわゆる水太りしていて、関節痛なども出してしまうほどの方によい